小論文、いきなり書き始めてない?
総合型選抜・学校推薦で必須の課題「小論文」書く時に、こんな経験をしたことはありませんか?
・何か書き終わったけど、段々話がズレていってる気がする
・そもそも何を書かなければいけなかったんだっけ?
・問題文を何度読んでもよく分からない
これらは、すべて書く前の準備である「課題分析」が抜けているから起きています!
そもそも小論文とは?
小論文と、よく言いますが、そもそも小論文とはなんなのでしょうか?
小論文とは、課題に対して自分の意見を明確に述べ、その根拠を論理的に構成したものです。根拠があるという点において作文や感想文、要約と違い、自分の意見を入れるという点において学術論文とは違います。
実は、この小論文、「書く前の分析で、合格するかが決まる」といっても過言ではありません。いきなり書き始めることはNGです!では、そんな「課題分析」について、今回は、実際に教えている内容を基に解説し、最後には一題一緒に分析してみましょう。
対策:課題の分析
今回紹介する対策の方法は、課題の分析です!出された問題を分析することによって、どんな力が求められているのかを知ることができます。
求められているスキルはなんなのか
これは課題の形式から読み解くことができます!課題の形式とは、「疑問詞や文字数など、問題を解く上での様々な条件」のことです。例えば400字だと、文字数が少ない分、型にハマった小論文を書けるかがみられることが多いです。
総合型選抜は、基本的に、思考力や創造力など、大学で実際に使うスキルを試されていますが、これは「なぜ」「今後どうなるか」など疑問詞から、何をどこまで求められているかを推測することができます。
何でそのテーマが選ばれたのか?
次に、なんでそのテーマが選ばれたかの分析です。時事的なことと結び付いているのか、学部共通の問題なのか、などなど見るところはたくさんあります。
それでは次に実際の例を見てみましょう!
課題の分析にチャレンジ
今回取り扱うのは、お茶の水女子大学・フンボルト入試の小論文課題です。かなり特徴のある小論文なので、分析が分かりやすいと思います。
例)「人間と動物の関係について」あなたの考えを6000字で述べなさい(2019年)
小論文のスキルの分析ポイント
- 自由に述べよ
- リサーチあり
- 6000字
例えば、6000字であるというポイントに着目すると以下のような対策方法やスキルが必要になることがわかりますね!
・すごく多いので、そのための対策をする必要がある
・1000字で1段落として、序章とまとめに加えて4段落必要になる。
また、特に疑問詞を指定されていないので、かなりの創造性が問われています。何を書いていいわけでもないので、しっかりと「どこをゴールにするのか」議論の前提から述べ始めなければなりません。
小論文のテーマの分析
テーマ
- 人間と動物
- 2019年
- 複数学部共通
人間と動物というところから、動物が持つ機能や役割について述べる必要があることがわかりますね。また、2019年当時はビーガンが話題になっていたころです。なので、それと関連づけた「食としての動物」を軸として、何を述べていくかを考えましょう。
その時に、この課題は複数学部共通ですので、専門的な知識というよりは、主張をどのように説明していくか、まさに論理的な思考力が問われているということです。
別の課題でもチャレンジ
こちらは都内の有名な私立の問題です。
例)上の文章を読んで筆者の意見をもとに、「日本は移民政策について今後どのように対応いていくべきか」あなたの考えを1000字程度で述べよ。(2021年)
小論文のスキルの分析のポイント
- 意見の比較
- 日本が主語になっている
- すでに提示されている文章の読み取り能力
前提として、「上の文章を読んで」なので、筆者の意見と自分の意見の比較を1000字で書くことが求められています。つまり、読解力も必要になるわけです。
また、「日本は」と書かれているため、あなたは、でも世界は、でもないことに注意して書く必要があります。つまり、あくまでも国としての対応について述べていかなければなりません。
当たり前じゃん!と思うかもしれませんが、60分の試験時間の中で、冷静にここに注目することはできるでしょうか?
小論文のテーマ分析のポイント
- 2021年度に出された問題
- 社会学部の入試問題である
当時は、コロナ後で、技能実習制度について日本が外国からバッシングを受けていました。それを受けての課題となっています。また、「社会学部」はあらゆる学問について学ぶ学部です。つまり、専門知識が必要になるわけではないことを考慮しよう!
スキル分析と重なりますが、あくまでも日本がどのような対応を取っていくべきなのか、その全体像について述べる必要があります。
まとめ
実際の問題を前にしないと難しいことではありますので、「言われても……」と思うかもしれません、
ですが、「課題文におおよその方向性が書いてくれている」ということは忘れないでください!
- 分析の時には、「テーマ」と「スキル」に分けて分析を行う
- スキルは、「疑問詞や文字数など、問題を解く上での様々な条件」から読みとく。
- テーマは、なんでそのテーマが選ばれたかを読み解く。時事や学部について理解する。
- 課題文の分析が小論文の合否を分ける!