「小論文の書き方」序論→本論→結論で書こう!のような解答が一般的だと思います。しかし、実際このアドバイスではまだまだ難しかったり・・・。今回は、文章を書くまでの手順を参考例とともに追いながら、各工程のポイントを確認していきたいと思います。
【こんな人にオススメ!】
・小論文があるけど、どうやって書くのか分からない
・色々調べたけれど、イマイチしっくりこない
・実際の文章を見てみたい!
今回の課題と解答例
今回は、「グローバル化が進んでいる現代において、私たちは、これからどのようなことを学ぶべきか?あなたの意見を800字以内で述べなさい。」という課題に取り組んでもらいました。みなさんなら、どのような文章を書きますか?少し考えてみてください。
どんな文章にするか、イメージつきましたか?では、実際、通っていた生徒が書き上げた解答はこちらです。
小論文の評価のポイント
どうでしょうか?よく書けていますか?小論文は、大きく2つのポイントが大切です。それは「アイデア」と「論理構造」です。
小論文のアイデア
アイデアについては、グローバル化という言葉を聞くと、ほとんどの人は「コミュニケーション」に関係するような「文化」や「言語」「多様性」、「仕事」に関係するような「スキル」や「専門知識」「得意分野」などを思いつくのではないでしょうか?
そこを、「アイデンティティ」と少し変わった角度で、「自己理解」について述べています。もちろん、このどちらがいいのかの評価は学部や教授によって分かれると思いますが、大多数が思いつくこととは別の視点で述べることは大切です。
小論文の論理構造
こちらの文章は、因果関係で書かれています。「どのようなことを学ぶべきか」と聞かれると、「学ぶべきこと」+「なぜそう思うのか」で、文章を組み立てるのではないでしょうか?しかし、それでは、大多数と同じになってしまいます。同じが悪いことではないですが、アピールの効果は薄まるでしょう。
そこを、原因「グローバル化が進む」→結果「アイデンティティが揺らぐ」→学ぶべきこと「自己を客観的に捉える方法」で述べることで、思考のプロセスをアピールすることができます。
書く時の手順
では、この文章は、どのような流れで完成したのでしょうか?実際のメモ等を見ながら、「小論文の書き方」を確認していきましょう。
課題文の読み解き
今回のテーマ「グローバル化が進んでいる現代において、私たちは、これからどのようなことを学ぶべきか?あなたの意見を800字以内で述べなさい。」で、重要なポイントはどこになると思いますか?それは、「グローバル化が進んでいる」「どのようなことを学ぶべきか」ですよね。「どのようなことを学ぶべきか」に答えなければいけないんだな、と、この時点でアイデアの方向性を確認しておきます。
アイデア出し
課題文をもとに、まずはアイデア出しをしましょう。このような形でのアイデアだしをオススメしています。この時点では、「量」が重要です。見ると分かるとおり、この時点で大多数がたどり着く「コミュニケーション」「仕事」という視点と別のアイデアを思いついています。
なぜなら、課題文の「これから学ぶべき」から「今、学べてないこと」と、アイデア出しの方向性を絞っているからです。色々な仮説を立てながら、アイデアの方向性を探っていくのが、アイデアだしのポイントです。
論理構成の整理
アイデアだしをしたら、どのように書くかを決めます。なぜ、因果関係にしたのかを聞いてみると「進んでいる、とあったので、事象が進行していくイメージのある因果関係にしました」と返事がありました。ここまで読んで分かるとおり、課題文の読み解きで全てが決まります。全ての根拠は課題文に基づき、自分勝手な文章にならないように気を配っています。
そして、基本的な文章を書く力が身に付いているからこそ、課題文の読み解きに基づくことができるのです。
改善点は?
あえて、文章の気になるところを指摘すると、「学ぶべきこと」の答えに焦点が当たっていないことです。最終段落のみがその答えになっています。もう少し、最終段落にボリュームを持たせてみてもいいかもしれません。
面接・ディスカッション対策
この小論文の後に、面接・ディスカッションがあれば、小論文について、聞かれることも多いです。先ほど指摘した「学ぶべきこと」の答えについて、自分が面接官なら聞きたくなるので、その答えをしっかり用意しておきましょう。すると、「文字数の関係で書き切れなかったんだな」と、減点を抑えることができる可能性もあります。
まとめ
小論文の評価のポイント・書き方は分かったでしょうか?そして、何よりも「文章を書く練習」よりも、まずは「文章の書き方」について身に付けておくことが重要です。主張は1行目に書く・1段落目には全体の主張を・論理構成のパターンなど、基礎が無い限り、合格は難しいです。まずは、そこから頑張ってみてください。